母子健康手帳は、母子健康法に定められた市区町村が交付する妊娠、出産、育児の一貫した母子の健康状態を記録する手帳のことである。そして、時代が進むとともに、名称や内容を改正し続けた。つい最近では、京都を中心に「親子健康手帳」と名前が改正されているらしい。この調べ学習をきっかけに、私は初めて母子健康手帳の中身を細かいところまで見た。そこには妊娠中の母親の健康状態や私が生まれた後のことが書かれており、とても興味深かった。今回は、この母子健康手帳について調べたことや感じたことについて述べていく。
母子健康手帳の歴史は、昭和初期、第二次世界大戦中にまで遡る。この時代では妊娠の流早産、死産、乳幼児死亡が多く、この問題を解決するために妊婦の健康状態などを記したものが、母子健康手帳の原型である「妊産婦手帳」であったそう。戦争真っただ中の時代では、自分の身を守ることですら大変であったため、子どもを安全に産ませることも大変で不安だったに違いない。そんな中で作られた妊産婦手帳は、母子両方の健康状態を知ることができるだけではなく、手帳を見ることによって子どもが無事に育っているということが分かり、安心感を与えるものにもなっていたのだろうと思った。今後も、児童福祉や母子健康に関する法律の施行や社会情勢の変化とともに、母子健康手帳も母子の健康のために進化していくように感じた。
現代の日本は医療の発達が急速に進んでおり、妊娠や乳児の死亡率が格段に下がってきている。昔は母子の健康だけだった項目が、今は母親自身が自身と子どもの体調を書ける項目も載っている。死亡率の低下は単に医療技術の進歩だけではなく、かつて母子の健康状態の把握のために作られた母子健康手帳が、時代とともに改正され活かされているためでもあるのではないかと考えた。
(M.I)